切り花をリメイク!花の生け直し術をマスターしよう

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季節ごとの花や植物を使って花を飾ることは四季の移り変わりを感じることができますね。

また花に触れることで精神的なリラクゼーションを得ることが出来ると言われている為、日常のストレスを軽減する効果もあることから花を飾る、飾りたいと思われる方も多くいらっしゃると思います。

玄関やリビング、キッチンにも目の届くところに花があることで毎日の気分が変わってきます。

ただ、飾った後に花が少しずつ傷んで減ってしまったり、花持ちが良い時は形を変えてみたくなりませんか?

最初は玄関に大きめの花を飾り、傷んだ花を取り除いてリビングに少し小さめの花にして飾って、その時に1本だけ余った花をキッチに一輪挿しで生けて長く楽しむ。というふうに量や場所を変えて飾っていくことはできます。

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長年いけばなの教室を開いていた私は、基本にのとった形のいけばなを教えた後に、花材をリメイクして生徒さんに提案したり、自分自身で自由に生け直しを楽しんでいました。

そんな花のリメイク術を実際に生けた花と生け直した花を4つのパターンでご紹介します。

是非、試してみてください。

飾られた花をリメイク!生け直しの方法

  • 花材を減らす・・・実例=春の花(ドウダンツツジ)
  • 花材を小さく・・・実例=夏の花(フサスグリ)
  • 組み合わせを変える・・・実例=秋の花(キク、コギク)
  • 花材を分ける・・・実例=冬の花(正月花)

花材を減らす・・実例=春の花(ドウダンツツジ)

最初の生け方

  • ドウダンツツジ 3本
  • カラー 3本
  • ベニバナ 数本

信楽焼の壺型の花器・・ドウダンツツジの葉の広がりとカラーの白色が映える形と色の花器

⚫️ドウダンツツジ

①花器の高さの2倍の長さに1本(基本の長さ)、その三分の二の長さに1本切る

②花器の口にほぼ真横の角度で基本の長さの1本を挿す

③三分の二に切ったもう1本を花器の中の剣山に直立して挿す

④葉の向きは2本共に上を向くように挿す

⑤残りの1本は最後に挿すので仕上げまで置いておく

⚫️カラー

①3本のうち一番花が大きいものを基本の長さの半分に切る(花器の中に入る長さも考慮する)

②2番目に大きな花のものを①で挿したカラーの三分の二の長さに切って、直立に挿したドウダンツツジの前に挿す

③3本目を①で挿したカラーより花一つ分ほど短く切って、①と②のカラーの間に挿す

④花の向きは2本は上向き、直立に挿したものは左に向ける

⚫️ベニバナ

①花器の口ぎりぎりに花が来るように切り、カラーの足元に挿す

②同じくらいの長さのものを足して奥行きをつける

⚫️仕上げ

最後に残ったドウダンツツジをベニバナの下に入るように短く切って葉を上向き挿す。

生けていくうちに花が花器の中でずれてしまっていたら形を整える

ドウダンツツジの生け直し

  • ドウダンツツジ 枝2本
  • ベニバナ 枝2本

軽やかさを出すために横幅約15cmの小さい花器に変更

先に傷んだカラーを省いて、ハリのあるドウダンツツジの葉を残した

①ハリのある葉の中で、枝の広がりが花器の直径の同じくらいのものを選ぶ

②ドウダンツツジを前後に挿し、その間にベニバナの花先を前後に振って挿す

花材を小さく・・実例=夏の花(フサスグリ)

最初の生け方

  • フサスグリ 2本
  • カーネーション 2本
  • マトリカリア  数本

陶器の円形花器・・フサスグリの葉の緑と赤い実を際立たせる緑色の花器

⚫️フサスグリ

①枝先に実付きの良い枝を選んで花器の直径の1.5〜2倍程の長さに切る(基本の長さ

②基本の長さの枝は剣山を縦に置いて後ろから三分の一の位置に右に倒して挿す

③もう一本を基本の長さの三分の二の長さに切り剣山に垂直に挿す

⚫️カーネーション

①基本の長さの半分〜三分の一の長さに1本、それより少し短くして1本を切る

②フサスグリ2本の間に挿す

⚫️マトリカリア

①カーネーションの二分の一程の長さに切って、カーネーションの足元に少し右寄りに挿す

⚫️仕上げ

フサスグリの切り落とした枝の中から葉の大きいものを選んで、一番前の剣山が見える部分に挿し手前に倒す

フサスグリの生け直し

  • フサスグリ 2本
  • マトリカリア 数本

実のツヤ感が増すように涼しさの演出も兼ねてガラス花器に変更

葉の色が黄色くなり、見栄えが悪くなった部分を切り落とした

①元の形から、赤さが増した実がたくさん付いた部分を短く切って元の形と同じ様に挿す

②小さめのガラスの花器は剣山が見えてしまう為、緑色のガラス玉で隠す

組み合わせを変える・・実例=秋の花(キク、コギク)

最初の生け方①

  • 一輪咲きのキク 5本
  • コギク 2本

陶器の花器・・お生花(おせいか)風に生ける為、花体にあった花器

⚫️一輪咲きのキク

①茎が一番太くて葉の大きなものを選び、花器の高さの3倍ほどの長さに切る(基本の長さ

②そこから茎の太い順に3本を少しずつ長さに差をつけて切る

③残りの2本のうち1本を基本の長さの三分の二の長さと、それより少し短く切る

④③で切ったキクの長い方を角度をつけて挿し、短い方を②で挿したキクとの間に挿す

⚫️コギク

①1本を基本の長さの半分に切り一輪咲きのキクの横に挿す

②もう一本を短くしては何をまとめて挿す

⚫️仕上げ

キク同士が葉でぶつかり合って離れてしまう場所は、バランスを見ながら葉っぱを間引く

最初の生け方②

  • パンパスグラス  2本
  • ケイトウ 1本
  • リンドウ 2本
  • フジバカマ 2本
  • ベニスモモ 1本

長方形の陶器の花器・・左右に分けて横並びに対照的に生ける為、横長の花器

⚫️パンパスグラス

①茎がツルツルの部分が太い方を花器の横の長さの2倍ほどに切る(基本の長さ

②もう一本を基本の長さの三分の二の長さに切る

③2本を左右に分けて1本ずつ挿す

⚫️ケイトウ

①基本の長さの半分ほどに切り、長い方のパンパスグラスの横に挿す

⚫️リンドウ

①花付きの多い方の1本をケイトウの三分の二の長さに切り、パンパスグラスから少し離して挿す

②残りの1本と①で挿したものの残りは、花のついている茎ぎりぎりで切り分け置いておく

⚫️フジバカマ

①1本はケイトウより少し長く切り長い方のパンパスグラスの後ろに挿す

②もう1本は少し短くして短い方のパンパスグラスの後ろに挿す

⚫️ベニスモモ

①枝わかれに沿って数本位分ける

②分けた枝を角度をつけて左右に分けて挿す

③葉の大きいものは短くして前の方に挿す

⚫️仕上げ

切り分けたリンドウを空間ができているところに挿し、全体が2つに分かれてまとまるようにする

キクの生け直し(最初の生け方①+②の花材を使って)

  • 一輪咲きのキク 5本 
  • リンドウ 枝2本

開花した一輪咲きのキクが1本ずつが目立つ壺方の花器に変更

①キクの長さもそれぞれ短くして離し、花の向きが上に向く様に挿す

②キクの葉の間から短いにリンドウを挿し、色の変化を作る

コギクの生け直し(最初の生け方①+②の花材を使って)

  • フジバカマ 小枝2本
  • コギク 小枝2本
  • ベニスモモ 枝1本

細く小さなフジバカマとコギクに合わせて小型の花器に変更

花の深い赤色が目立つように光沢のある黒の花器を使う

①フジバカマは先の方だけを使い長いものを花器の中心に挿し、長さの差をつけてもう一本も挿す

②コギク2本に長短をつけフジバカマの前に挿す

③ベニスモモの小枝を葉だけが見えるぐらいに短くしてコギクの前に挿しその足元を整える

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花材を分ける・・実例=冬の花(正月花)

最初の生け方

  • 若松 2本
  • 千両 3本
  • 姫南天 1本
  • オンシジューム 1本
  • マム(キク)一輪咲き 2本
  • スプレーマム 1本

黒い円形の花器・・花材をたくさん使うお正月用の花、大きくて華やかな花の色を引き立てる為シンプルな黒色の花器

⚫️若松

①針葉の広がりが大きい方の枝を花器の直径と同じぐらいの長さに切る

②もう1本の松の中心の太い枝から両方に出ている小枝2本を切り落とす

③2本の松を並べて剣山の後ろの方に挿す

小枝2本は、花を生けた後で挿す

⚫️千両

①3本共に枝ごとに分け、内1本は少し長めに茎を残しておく

花を生けた後に、間に挿していく

⚫️姫南天

①松の半分から三分の一ぐらいの長さに切る

②小枝を1本切る

③松の後ろに挿し葉の広がりが横に出る様にする

小枝は花を生けた後に挿す

⚫️オンシジューム

①枝の形が直線になっているものを松の前に挿す

カーブになっている枝は2〜3本に分けて置いておく

⚫️マム(キク)一輪咲き

①2本を松の葉の終わり辺りの長さに切り、花の大きい方は角度を付けて前に挿す

②もう1本は松の前に少しだけ角度を付けて挿す

⚫️スプレーマム

①一輪咲きのマム(キク)より少し短く切る

②それぞれのマム(キク)の後ろに挿す

⚫️仕上げ

①千両のを全体に赤い実が配置されるように挿し、前に挿すほど角度を付けて倒す

②若松のを前側に出した千両の中からそれぞれ出るように挿す

③姫南天のを空いているところに挿す

④オンシジュームのは一番手前に挿す

千両の葉で他の花材を隠してしまうものは切り落とす

お正月花の生け直し①

  • 若松  小枝の先1本
  • 姫南天  小枝の先1本
  • 千両の実  葉をとった実のみ1本
  • オンシジューム  枝先1本

色とりどりの花材が映えるお正月らしい白い花器を使用

差し口の小さい花器で、切り落として使えなかった枝先などをまとめて入れる

お正月用のピック(凧の飾り)を入れ前後のバランスを取る

お正月花の生け直し②

  • マム(キク) 2本
  • スプレーマム  小枝数本
  • 千両      1枝
  • オンシジューム  枝先1本

葉を落としたマム(キク)とスプレーマムを短くして広がりを付けて生けるため、細長い花器に変更

グリーの多かった最初の花と雰囲気を変え洋花っぽく飾る

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まとめ

4つのパターンはいかがでしたか?

花器によって飾る花の雰囲気も変わっていくことも感じていただけたかと思います。

暑い夏には、傷んだ花を取り除いて生け直し

寒い時期には、花持ちが良いのでいろんな形に生け直して

花を飾ることを楽しんでください。

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長年自宅で茶華道教室をしていました。その経験を活かし『気軽にお花を楽しむ』事や、休日に出掛けた『花のある景色』をご紹介していきます。
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